詳解編 / 一次資料ベース

体系を、原文の粒度で読む概要では省いた内容のまとまり、高次の資質・能力の全文、小中高の接続、時数の根拠まで。

入門編4本では要点に絞りました。ここではWG取りまとめ(案)と論点整理の記述そのものの粒度で並べます。 研究論文を書く、校内研修の資料を作る、教育委員会に説明する ── そういう場面で使う前提の内容です。 末尾に詳解編だけの30問バンクを置いてあります。

読むうえでの注意。ここに引いた記述はすべて検討段階の案です。名称・内容項目・時数はいずれも仮称・暫定で、答申と告示で変わります。 引用して使う場合は、必ず文部科学省の当該資料の原本にあたって日付とバージョンを確認してください。資料の所在は「一次資料の歩き方」タブにまとめました。
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先にクイズで腕試し30問の問題バンク。5問・10問・20問・全問から選べます。読むより先に、まず解いてみるのがおすすめです。

情報活用能力の再定義と、3つの構成要素

まず押さえるべきは、今回の改訂で情報活用能力の定義そのものが絞られたことです。ここを外すと、以降の体系がすべてずれます。

「情報の活用」と「情報技術の活用」を分けた

現行の情報活用能力は「情報及び情報技術を適切かつ効果的に活用して…」と定義されていました。しかしこの整理には、①「情報の活用」は言語能力と重なる側面がある、②今日では情報技術を介さない情報活用を切り分けて捉えることが困難、という指摘がありました。

そこで今次改訂では、学習の基盤となる資質・能力としての情報活用能力を「情報技術の活用」に絞って整理し、「情報の活用」は引き続き各教科等の特質に応じて育成・発揮されるものとしました。そのうえで「情報技術の活用」を、各教科等のみならず、探究的な学びを支え、駆動する基盤として位置付けています。

言語能力との関係

両者は引き続き「学習の基盤となる資質・能力」です。関係は次のように整理されました。言語能力の基礎の上に情報技術を活用することで、言語と言語以外の情報を組み合わせたり、情報を効果的・効率的に再構築したり、自らの身体では難しい創作を行ったり、地理的・時間的制約を超えて広く発信したりする。つまり人間の思考やコミュニケーション、身体活動等を強化・拡張するもの、という位置づけです。資料では言語能力を「思考やコミュニケーション等の基礎」、情報活用能力を「思考やコミュニケーション等の強化・拡張」と対比しています。

3つの構成要素と、その関係

①活用を中核とし、②適切な取扱いと③特性の理解が、その発揮を支える。── これが基本枠組みです。

②が必要なのは、認知や行動に与えるリスクに対応するため。③が必要なのは、仕組みや背景を理解することでより効果的な活用と適切な取扱いが可能になるため。

発達段階では、小学校は体験的な活動を重視し①を中核として②③と相まって培う、中学校段階以降は各要素を深めつつ、抽象的・科学的な理解を必要とする③を一層重視する、と書き分けられています。

学校段階別に育成すべき資質・能力(原文ベース)

構成要素小学校(情報の領域)中学校(情報・技術科)高等学校(情報科)
①活用 必要な情報を集めて整理し、分かりやすく表現しながら、身近な課題を解決できる 複数の方法で情報を収集・分析し、根拠を基に表現しながら、課題を解決できる 多様な情報を収集・構造化して多角的に分析し、論理的に表現・議論しながら、課題を解決できる
②適切な
取扱い
情報技術の特性やリスクについて理解し、メディアリテラシーを働かせながら、ルールやマナーを守り、他者や社会への責任を考え、安全に活用できる 情報発信の責任や他者への影響を考え、リスクを判断して活用できる 情報技術の利便性と負の影響、信頼性を評価し、社会的責任をもって情報を活用できる
③特性の
理解
情報技術の基本的な仕組みを理解し、考えた手順を基に解決策を構想・表現できる 情報技術の仕組みや社会との関わりを理解し、複数の情報を多面的に分析して解決策を構想・表現できる 情報技術の原理や社会的影響を科学的に理解し、多様な情報を分析・統合して創造的に解決策や価値を構想・表現できる

読み方のコツ

3段階の差分は副詞と修飾語に出ます。小「必要な情報を」→中「複数の方法で」→高「多様な情報を構造化して多角的に」。この差が、そのまま各段階で求める深さの差です。単元をつくるとき、自分の授業がどの語に届いているかを照らすと、水準の自己点検になります。

構造化の考え方が、小と中高で違う

小学校:3構成要素をそのまま内容項目に

初めて探究的な学びや情報技術の活用に取り組む発達段階であり、体験的な活動を通して一体的に育成することが効果的なため、「活用」「適切な取扱い」「特性の理解」の3要素を軸として内容を構造化します。だから教科ではなく総合的な学習の時間への領域付加という形をとります。

中学校・高校:教科固有の内容を中心に再構造化

小学校で育成した情報活用能力を基盤として、より専門的・体系的な学びを実現する観点から、情報活用能力を教科全体を支える基盤として位置付けつつ、教科固有の内容を中心に構造化します。3構成要素をそのまま内容項目にはしません。だから教科として学びます。

内容のまとまりの構造

内容項目のひとつ下の階層です。ここまで見ると、単元をどう組むかがほぼ決まります。情報技術領域は各項目4つのまとまり、生産技術領域は各項目3つのまとまりという非対称な構造になっています。

情報技術領域 ── 4つのまとまりと「往還」

3つの内容項目はいずれも同じ形をしています。❶と❷を一体的に理解し、それが基盤として❸❹を支える。そして❸と❹を往還させながら習得する。❶❷が主に「②適切な取扱い」「③特性の理解」、❸❹が主に「①活用」に対応します。

内容項目❶ 仕組みを知る❷ 批判的に考える/リスクに対処❸ 設計する❹ つくる・伝える
(1)情報の表現と
デジタル化
情報のやり取りに関する特性を知る
データの構造・管理・分析、ネットワーク、AI、メディアの特性
安全に情報を扱う
個人情報、セキュリティ、偽・誤情報の判別
情報を批判的に吟味する
フィルターバブル、エコーチェンバーを踏まえた信頼性の吟味
情報を分かりやすく表す・伝える
相手の立場に立った方法を知り発信する
(2)プログラミング
と自動化
コンピュータと自動化の仕組みを知る
アルゴリズム、プログラミング、AIによる自動化、インターネットの機器
自動化を批判的に考える
アルゴリズムが人間の認知特性に与える影響
情報処理の手順を設計する
目的に応じてコンピュータが自動処理する手順を設計
自動化の仕組みをつくる
ユーザーのニーズを捉え、判断や活動を支える仕組みをつくり評価・改善
(3)情報基盤と
システム化
情報システムの仕組みを知る
構造、AIがシステムに果たす役割
情報技術のリスクに対処する
法や制度、マナー、健康への影響
情報技術を組み合わせ価値を生む
負の側面に配慮しつつ技術を多様に組み合わせる
情報システムを見直し、より良く使う
法・制度・社会との関わりから批判的に評価・改善

「往還」という言葉が3回出てくる

(1)は情報の吟味と表現を往還、(2)は手順の設計と実装を往還、(3)は価値の創出と改善・活用を往還。いずれも「❸を終えてから❹へ」ではなく、行き来しながら習得する関係として書かれています。単元設計では、設計→制作→設計へ戻る場面を意図的に作ることが求められます。

生産技術領域 ── 3つのまとまりと学習過程の一致

こちらは技術の学習過程がそのまま内容のまとまりになっています。(1)〜(4)すべてが次の3段構成です。

内容項目1 技術の仕組みや安全な使い方を知る2 つくる・育てる・統合する3 技術を俯瞰し活用の在り方を考える
(1)材料加工と
デジタル製作
情報技術を活用した材料や加工の仕組み・役割、リスクやルール、安全で適切な使い方材料や構造を工夫して製作する
安全性に配慮し、情報技術や加工機を用いて設計、試作・評価
その技術が生活や社会に与える影響を捉え、よりよい活用の在り方を考える
(2)生物育成と
データ活用
生物の成長の仕組み、環境の調整、情報技術を活用した育成技術の役割、安全な管理・作業環境を調整し計画的に生物を育成する
環境負荷に配慮し、データをもとに育成計画、記録しながら試行錯誤
同上
(3)エネルギー変換
とスマート化
電気や機械によるエネルギー変換の仕組み、回路・機構の働き、安全な使い方と点検エネルギーを変換・利用する仕組みをつくる
経済性に配慮し、情報技術も活用して設計・製作、試行と改善
同上
(4)技術の統合技術の統合の仕方や役割を知る
多様な技術が組み合わさるシステムの仕組み、AIの働きとリスク
技術を統合してシステムを設計・構築する
正負の側面に配慮し、多様な技術やAIを組み合わせて設計・構築、評価・改善
統合した技術の実践を踏まえ、よりよい活用や新たな技術の在り方を考える

(4)だけ「新たな技術の在り方」まで書かれている

(1)〜(3)の3段目は「よりよい活用の在り方を考える」ですが、(4)技術の統合だけは「よりよい活用や新たな技術の在り方を考える」となっています。既存技術の評価にとどまらず、技術そのものを構想する段階まで含意されている、という差です。

高次の資質・能力 ── 全7内容項目

「統合的な理解」と「総合的な発揮」が、内容項目ごとに設定されています。7項目分をそのまま並べます。単元の終着点を決めるときの基準になる部分です。見出しをタップで開きます。

1-(1)情報の表現とデジタル化▼
統合的な理解

情報技術により情報やデータから新たな関係や意味を見いだしたり、利用者の立場で情報を批判的に吟味・設計したりすることが、分析結果や考えの分かりやすい表現につながることを理解する。

総合的な発揮

情報技術の正負の側面に配慮しつつ、情報やデータの分析結果を判断し表現したり、利用者にとって分かりやすい情報を批判的に吟味・設計・表現し、評価・改善したりできる。

❶情報のやり取りに関する特性を知る
❷安全に情報を扱う
❸情報を批判的に吟味する
❹情報を分かりやすく表す・伝える
1-(2)プログラミングと自動化▼
統合的な理解

情報技術により情報処理の手順を自動化することが、人の判断や活動を支え、生活や社会の利便性を高めることを理解する。

総合的な発揮

情報技術の正負の側面に配慮しつつ、自動化する情報処理の手順を設計し、人の判断や活動を支える仕組みを設計・表現し、評価・改善できる。

❶コンピュータと自動化の仕組みを知る
❷自動化を批判的に考える
❸情報処理の手順を設計する
❹自動化の仕組みをつくる
1-(3)情報基盤とシステム化▼
統合的な理解

情報技術や多様な技術の組合せにより情報システムが構築されることを捉え、それらを活用しつつ、情報の信頼性や社会に与える影響に配慮して評価・改善することが、包摂的で豊かな生活や社会につながることを理解する。

総合的な発揮

情報技術の正負の側面に配慮しつつ、それを基盤とする多様な技術を組み合わせ、倫理・法・社会の観点にも考慮して問題を解決するための情報システムを設計・表現し、評価・改善できる。

❶情報システムの仕組みを知る
❷情報技術のリスクに対処する
❸情報技術を組み合わせ価値を生む
❹情報システムを見直し、より良く使う
2-(1)材料加工とデジタル製作▼
統合的な理解

材料の加工や構造の工夫によるものづくりと、情報技術を活用した設計・製作や評価・改善の高度化が、安全で利便性の高い生活や社会につながることを理解する。

総合的な発揮

安全性等に配慮しつつ、情報技術を活用して材料を選択し、意図した形や構造を設計・加工することで、生活や社会に役立つものを製作し表現できる。

2-(2)生物育成とデータ活用▼
統合的な理解

生物の育成環境の調整による食料供給や環境保全と、情報技術を活用した調整・管理の精緻化が、安定的な生活や社会につながることを理解する。

総合的な発揮

環境負荷等に配慮しつつ、情報技術を活用して育成環境の調整方法を計画し、収量と品質を高めるための方策を判断し実践できる。

2-(3)エネルギー変換とスマート化▼
統合的な理解

エネルギーの変換・利用による活動の支援と、情報技術を活用した効率化が、電力や交通等の生活や社会を支える基盤の利便性につながることを理解する。

総合的な発揮

経済性等に配慮しつつ、情報技術を活用してエネルギーを変換する仕組みを設計し、安全で安定した動作を製作し表現できる。

2-(4)技術の統合▼
統合的な理解

情報技術を基盤とする多様な技術の関係や働きを捉え、それらを統合することが、生活や社会の発展につながることを理解する。

総合的な発揮

安全性や環境負荷、経済性等に配慮しつつ、情報技術を基盤とする多様な技術を統合して、問題を解決するための仕組みを探究的に設計し表現できる。

7項目を並べて見えること

第一に、情報技術領域の総合的な発揮は必ず「正負の側面に配慮しつつ」で始まる。第二に、生産技術領域は「安全性等」「環境負荷等」「経済性等」と項目ごとに配慮事項が書き分けられている。これは現行の見方・考え方の「安全性、環境負荷や経済性」が、内容項目ごとに割り振られたものと読めます。第三に、「探究的に」が明示されるのは「技術の統合」だけです。

設定の考え方(原文)

統合的な理解では、当該技術によりできることやその技術が有している本質的な価値を端的に示しつつ、その趣旨に沿った技術活用が生活や社会における価値創造にどのようにつながるかを明示する。これにより、単に技術に関わる知識を覚えたり実習を通じて技能を磨くということにとどまらず、当該技術活用の有する価値や可能性を理解できるような授業づくりを促す。

総合的な発揮では、技術に関しての統合的な理解を実際の生活や社会に適用して、できるようになってほしい技術を通じた課題解決の姿を端的に示す。現実社会における課題解決に近い題材を設定しつつ、将来の職業生活での実践的な力を育むような授業づくりに繋げていく。なお、技術の正負の両面に目を向けることの重要性を踏まえ、負の側面への配慮等について冒頭に記載した。

小学校「情報の領域」と高等学校「情報科」

中学校だけを見ていると、なぜこの内容がここにあるのかが分かりません。前後を押さえます。

小学校:総合的な学習の時間を2領域に

総合的な学習の時間を「探究の領域」と「情報の領域」の2領域で構成します。情報の領域は探究の領域や各教科等の学びを基盤として支えるものとして位置付けられます。「情報技術の学習自体が総合の目的であるとの誤解を受けないよう」という注記が明示されています。

ミニ探究ユニット

一定のまとまりをもち、探究的な学びのプロセスにおいて、情報活用能力の諸要素を学びつつ、実際の課題解決等に活用する小単元。例:「デジタル技術の正と負の側面を踏まえたマイルールをつくる」「プログラムを通じてオリジナルロボットを動かす」「生成AIの特性やリスクを踏まえた作品制作を行う」。

情報ブロック

探究のプロセスに位置付けることが難しい学習内容を扱う、情報に関する基礎的な内容を学ぶ小さなまとまり。②適切な取扱い・③特性の理解に分類される内容が主にここに入ります。第3学年から第6学年へ系統的に発展します。

構成要素内容のまとまり
①活用❶課題の設定 / ❷情報の収集 / ❸整理・分析 / ❹まとめ・表現 / ❺基本的な操作
❶〜❹は探究のプロセスに対応。❺は各種学習活動の基盤となる機器操作等
②適切な取扱い❶法や制度 / ❷倫理 / ❸安全・メディア理解
3つは相互に補完し合う関係。偏りなく関連付けながら学ぶことが重要とされる
③特性の理解❶情報及びコンピュータ / ❷AI / ❸アルゴリズム・プログラミング / ❹デザイン / ❺データの扱い / ❻コミュニケーションやメディア / ❼社会的役割
日本学術会議 情報学委員会 情報学教育分科会『情報教育課程の設計指針』の内容・範囲を参照して整理

配置は1学期集中も可

指導計画の工夫例として、1学期に情報の領域を集中的に配置する案が示されています。理由は3つ。①情報の領域での学習を基盤として探究の領域で活用できる ②ミニ探究ユニットで探究のプロセスを自覚的に経験することで探究活動を充実できる ③年度当初の集中的な学習を基盤として各教科等でのデジタル学習基盤の効果的な活用につなげられる。通年配置の場合は、学習と活用のタイミングが合わない懸念、ミニ探究ユニットと探究活動の役割分担が曖昧になる懸念が指摘されています。

低学年の扱い

低学年は「情報の領域」の対象外で、デジタルに体験的に慣れ親しむ段階です。「①活用」のうち基本的な操作を中心に、各教科等の学習を通じて情報活用能力の基礎を育成します。国語では児童の実態に即した簡易な文字入力(手書き・キーボード・タッチパネル)、生活科では植物の観察写真の保存、音楽では歌唱や演奏の記録と視聴、といった例が挙げられています。②③についても、ID・パスワードを他人に教えない、正しい姿勢で端末を使う、許可なく他人の写真や動画を撮らない、といったことを操作を学ぶ過程と一体的に扱います。

高等学校:情報Ⅰ・情報Ⅱの内容項目

情報Ⅰ(共通必履修・存置)情報Ⅱ(選択・単位数を柔軟に配当)
(1) 情報の仕組みと社会との関わり(1) 社会課題とデータサイエンス
(2) 情報デザインとデザイン思考(2) コンテンツデザイン
(3) データ分析とモデル化・シミュレーション(3) AI
(4) アルゴリズムとシステム開発(4) 先端技術と情報システムデザイン
(5) PBLによる課題解決の実践(5) PBLによる価値創造の実践

科目構成を維持した理由は明快です。①情報Ⅰが共通必履修になったのは前回改訂 ②大学入学共通テストへの追加は令和7年度 ③したがって安易な科目構成の変更は現場の混乱を招く。

一方で、中学校へ一部内容を移行しつつ、高等教育の数理・データサイエンス・AI教育のリテラシーレベルを概観できるよう内容を充実するため、指導内容の分量は現行と大きく変わらない見込みとされています。

情報Ⅱの単位数柔軟化は、(5)PBLの部分に差が現れることが想定されています。実装後の改善プロセス(技術的性能の向上、倫理・法・社会的観点からの妥当性の評価)は課題によって回数が異なりあらかじめ一定の回数を定められる性質のものではない、というのが柔軟化の論拠です。

国全体の目標設定

初等中等教育を通じて、高校卒業生全員に数理・データサイエンス・AIを「日常の生活や仕事等の場で使いこなす」ことができるリテラシーレベルの学習を保障する枠組みを構築する、というのが今回の到達目標です。現在この水準は大学・高専の卒業生(年間約50万人)が対象ですが、これを高校卒業生全員(年間約100万人規模)へ広げる構図。「裾野の拡大」と「頂の高まり」という言い方で説明されています。

重点的な学習内容の3本柱

教科の枠組みとは別に、小・中・高を通じて一貫して育成すべき重要な学習内容として3つが立てられ、それぞれ体系性・系統性が整理されています。

① メディアリテラシー

教育課程上の定義

情報メディアの特性が受け手に及ぼす影響を踏まえ、情報を社会的・文化的背景の中で吟味し批判的に評価したり、発信したりして、社会参画する考え方や態度。これを情報活用能力の構成要素として位置付けました。

クリティカル・シンキングとの関係

クリティカル・シンキングは「論理的・合理的に考察し、内省的に思考を振り返りながら、よりよい判断を志向する思考の様式」であり、教科や学習場面と切り離して働くものではなく、各教科等の学習過程の中で具体的に働くものと定義されています。

そのうえで、メディアリテラシーは各教科等で育まれたクリティカル・シンキングを、情報活用能力育成の「要」となる教科等において統合的に働かせて育成するものと位置付けられました。国語・社会・数学・理科などで育てた思考の様式を、情報・技術科でデジタル社会の具体的な状況に適用する、という分業です。

段階メディアリテラシーに関する学習内容イメージ
小学校情報には誤ったものや危険なものがあることから、すぐ鵜呑みにせず吟味して判断する/送り手が情報の一部を切り貼りするなど再構成して発信している、受け手によって印象が異なるという認識の下で受発信する
中学校アルゴリズムによって受け手の嗜好に合わせた取捨選択が行われていたり偽・誤情報も含まれることから、メディアを比較しながら信頼性・信ぴょう性を吟味し批判的に考察する/情報には人間の心理的傾向が働いたり社会的・文化的な背景があるという認識の下で受発信する
高等学校他者の権利や社会的責任を考慮し、あいまいな情報は不用意に用いない/フィルターバブルやエコーチェンバー等の特性を踏まえつつ得られた情報を根拠に、論理的に仮説・検証を繰り返す

「判断を留保する」が明記されている

資料は繰り返し「真偽不明な情報を主体的に吟味・判断・留保する」と書いています。偽情報や白黒はっきりしない情報については「活用しない」「判断を留保する」ことも含まれると明示されており、必ず結論を出させる指導とは異なる方向です。背景には、偽・誤情報の拡散の構造的要因として確証バイアス(人は自らの見たいもの、信じたいものを信じる)とアテンションエコノミー(クリックを集めるため過激なタイトルや憶測だけの記事が生まれる構造)が挙げられています。

② AI ── 「AI自体を学ぶ」と「AIを活用して学ぶ」

この2つは資料上まったく別の表として整理されています。混同しやすいところです。

AI自体を学ぶ(中学校段階の内容イメージ)

②適切な取扱いとして:AIの出力には誤りや偏り等を含む可能性があり、人の判断を尊重する必要があること/AIの利用には権利侵害や悪用、誤情報等のリスクがあり、リスクを踏まえた活用が重要であること/AIの社会や環境への影響を踏まえ、人の判断が関わる情報システムの活用が必要であること/AIの正負の側面と応用対象の技術の特性を踏まえ、評価・改善を通じて実装する必要があること。

③特性の理解として:AIは情報処理の手順を自動化するため、膨大なデータを学習して予測や判断を行い利便性を高めていること/AIは言葉や画像等の多様な情報をデジタルデータとして処理し、新たな情報を予測・生成できること/様々な立場の人が関与し、AIを他技術と組み合わせて情報システムをつくることで複雑な課題を解決できること/生産技術に実装されたAIは、現実世界の情報を捉えて働き、生活や社会で営まれる作業を自動化すること。

AIを活用して学ぶ(領域による使い分け)

情報技術の領域:技術としてのAIを原理や特性を踏まえて使い方を設計・判断・評価する対象として捉え、技術の学習過程を充実させるために活用する。

情報を基盤とした生産技術:AIを補助的な役割として、問題発見や課題設定、設計及び製作・育成の評価・改善の過程で活用するとともに、問題解決のために生み出す仕組み等にも活用する。

なお前提として、資質・能力の育成を行う観点から生成AIの活用が効果的か否かを吟味しつつ利活用を検討すべきとされ、具体的なポイントは生成AIの利活用に関するガイドライン等で対応すると整理されています。学習指導要領の改訂を待たずにガイドラインで対応する、という役割分担です。

③ プログラミング的思考 ── 前後に広げた再定義

従来の定義は「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号をどのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」でした。次期はこれを発展的に捉え直します。

01

実現したいことを構想する

コンピュータを用いて実現したい価値や目的を明確にする【自然言語】

02

課題や条件を整理する

AIに任せること、自身で対応できることを手順ごとに整理する【自然言語】

03

AIに指示する

考えた順序の通りに動かせるようAIに指示する【自然言語/コード】

04

妥当性を検討する

目的通りの動きをするか、他者等への影響はないか考える

05

試行錯誤しながら検証・改善する

どう改善すれば意図した動作に近づくかを試行錯誤する

06

責任をもって判断し問題を解決する

ここまでを含めて一連の考え方とする

②〜⑤はAIで省力化できる。だからこそ①と⑥。

資料はバイブコーディングの普及に言及し、AI技術の進展により②〜⑤は省力化できるようになる一方、人間には何を実現したいのかを構想し、生成・作成したものを責任を持ってどう判断するかを含め、全体を見通して考える力がこれまで以上に求められる、としています。

ただし注記も明確です。AIを活用する場合にも、成果物の検証・改善や責任を持った活用のためには、コーディングをはじめプログラムを構成する仕組みや方法を理解することは引き続き求められる。「AIがあるからコードは書けなくてよい」とは書かれていません。

もうひとつの変化として、プログラミング的思考は小学校に限らず、中学校・高等学校においても育成すべきものと整理されました。

段階Before(現行)After(改訂後イメージ)
小学校プログラミングを体験しながら、意図した処理を実現するための手順を順序立てて考え、正しく実行させることを通して論理的思考力を育成する身の回りにはプログラムで便利に動いているものがあることに気づき、生活をより便利にする仕組みをプログラミングしてみようと考える。順次・分岐・反復を理解し、身近な場面で価値を生み出す使い方を学ぶ
中学校課題解決の手順を図などで整理し、プログラムの作成・動作確認・デバッグを通して、正確に動作するように作り上げる力を育成するアルゴリズムやデータ構造を理解し、センサー等も扱ったプログラムで情報システムの仕組みを表現・改善しながら、目的に応じて活用し価値を創出する力を育成する
高等学校プログラミングやシミュレーション、情報システムの開発を通して、問題解決の手順を設計し、意図どおりに正しく機能するように実装する力を育成する情報Ⅰ:要件定義、設計、実装、テスト、改善までを含めたシステム開発を行う/情報Ⅱ:先端技術等を活用し、試作・検証・改善を繰り返しながら課題解決・価値創造につなげる

小学校での位置づけが変わる

現行では、小学校は各教科等の学びを確実にすることをねらいとしてプログラミングを体験する形でした(算数の正多角形、理科のセンサー制御など)。次期では、「要」となる教科等(=総合の情報の領域)においてプログラミング的思考を育成し、各教科等の学びで効果的に機能させる、という関係に変わります。各教科等での実践は、そこで育てた力が強化され、要となる教科等の育成にも還元される往還の関係として整理されています。

時数の根拠と条件整備

「週2コマ」という数字がどこから出てきたのか。その手続きが資料に書かれています。ここを知っていると、時数の議論に根拠をもって参加できます。

積み上げの手順

WGは体系整理を3段階で行いました。①教科全体として育成を目指す資質・能力を実現するために、各領域・内容項目が相互にどのような関係で構成されるべきかを整理する。②各内容項目が具体的にどのような学習内容で構成されるかという観点から、学習内容を一定のまとまりごとに整理し、それぞれの役割と相互関係を整理する。③それぞれの内容のまとまりについて、実際の授業を具体的にイメージできるような学習活動の単位で整理する。

そのうえで、③で分解した個々の学習活動の項目数を試行的に積み上げ、必要となる授業時数の規模を検討する目安としました。

学年積み上げた学習活動の項目数(目安)
小学校 第3学年28項目程度
小学校 第4学年27項目程度
小学校 第5学年31項目程度
小学校 第6学年30項目程度
中学校 第1学年65項目程度
中学校 第2学年66項目程度
中学校 第3学年32項目程度

この数字はコマ数ではない

WG自身が但し書きを付けています。「個々の学習活動については、実際には1コマで扱えるものもある一方で、1コマ未満で扱えるものや複数コマを要するものも想定されることから、必要となる授業時数の検討に当たっては、さらに個別具体に精査することも必要」。

そして結論として、「上記で示した授業時数の規模を検討する目安は参考資料と位置付け、年間の標準総授業時数を増加させないとの方針を前提に教育課程全体の観点から総合的に検討することが適当」とされています。つまりWGは「これだけ必要」とは言っておらず、判断は総則・評価特別部会に委ねられている構図です。

他教科の学びへの寄与(時数を出す側の論理)

新教科をつくる以上、他教科から何を移せるかが問われます。資料は3段階で整理しています。①各教科等の内容のうち情報活用能力の育成にも資する内容を整理し、②新教科・領域の学習活動との対応関係を踏まえて移行の可能性を検討し、③各教科等固有の学習をどのように重点化できるかという効果を検討する。

具体例も挙げられています。これまで各教科等で個別に指導してきた端末等の基本操作や情報技術の活用方法(タイピング、映像メディアの操作、グラフの作り方、データ分析の方法等)は新教科・領域で体系的に学べるようになる。これにより「ある教科で学んだスライド資料の作成方法が、他教科等での発表活動に十分生かされない」といったことが解消され、各教科は固有の学びに重点化できる。

移行が想定される内容としてはプログラミング、データ活用、産業と情報の関わり、情報機器と健康との関わり等が挙げられています。またメディアリテラシーに繋がる内容は国語科や社会科でも扱ってきたが十分な指導ができなかったところ、新教科・領域で大幅に強化されることで、そこでの学びが一層豊かになると期待されています。

小学校社会科の具体例

資料が挙げている例です。小学校社会 第5学年では、聞き取り調査や各種資料で調べてまとめることを学ぶ際、解説上「コンピュータなどを適切に使って情報を集める技能も身に付けるようにすることが大切」とされ、社会科の授業でコンピュータを使った情報収集の方法を指導していました。次期ではこの部分は総合の情報の領域で学ぶこととなり、社会科ではそれを学んでいる前提で、調べまとめる学習を行えるようになります。

条件整備(原文の要点)

教材:国が、教師が授業でそのまま活用可能な授業動画を含めた学習者用教材の開発を既に開始。関係機関と連携し、学校現場と往復しながら使いやすいものにすること、技術の進展に伴う内容の陳腐化を防ぐ観点から随時のアップデートを図ること(具体的な内容項目については「国が作成する授業動画において少なくとも年に1回のアップデートを図る前提」と明記)。

「技術の統合」への支援:教員が不安を感じることなく趣旨を十分に理解し確実に実施できるよう、教材の開発にとどまらず、指導計画や授業の具体的なイメージを示す参考資料、研修を組み合わせたパッケージの提供まで行うべき。

設備:国は、すべての中学校担当教員の指導力向上に資する研修を支援するとともに、3Dプリンター等の教材の各自治体における整備状況の把握・可視化を踏まえ、その整備促進を図る必要がある。

指導体制:令和7年度時点で、中学校技術・家庭科(技術分野)の担当教員のうち臨時免許状所有者543名、免許外教科担任1,863名。高等学校情報科は臨時免許状47名、免許外教科担任97名。「十分に指導体制が整備されていない危機的な課題があり、改善を一層加速させる必要がある」。

柔軟な教育課程:「情報・技術科」における調整授業時数制度の活用、「情報科」における単位制柔軟化の活用。

先行実施:取りまとめ案には「新教科・領域の先行実施の考え方」の項目が置かれています。

「教師の負担を可能な限り減らす仕組み」が課題として明記されている

情報活用能力の課題整理の中で、条件整備の不十分さとして「技術の進展に伴い、教育内容が妥当性を失うことを防ぎ、教師の負担を可能な限り減らす仕組みを構築する必要」が挙げられています。年1回更新される国の教材、教科書+外部教材の二段構え、研修パッケージは、いずれもこの一文から出ている施策です。

一次資料の歩き方

自分で確かめたいとき、どこを見ればよいか。資料の階層と、用語が変わった箇所をまとめます。

資料の階層

① 諮問(令和6年12月)すべての出発点。「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」。各WG資料の参考資料として必ず付いています。
② 論点整理(令和7年9月25日/教育課程企画特別部会)改訂全体の基本的な考え方。Excellence/Equity/Feasibilityの3方向性、情報活用能力の抜本的向上、柔軟な教育課程、評価の見直しがここで打ち出されました。概要版(ポイント資料)が図表中心で読みやすく、総則部会や各WGの議論を踏まえて随時更新されている点に注意。
③ 総則・評価特別部会教科横断の枠組みを決める場。高次の資質・能力の名称変更、学びに向かう力の4要素、観点別評価の見直し、標準授業時数の弾力化はここ。各教科の「統合的な理解」「総合的な発揮」の例もここで一覧化されています(令和8年6月1日資料)。
④ 情報・技術ワーキンググループ(令和7年9月25日〜)教科の中身を決める場。第4回(令和7年12月8日)で2領域案、第6回(令和8年2月13日)でメディアリテラシーとAI、第8回頃までに内容項目、第10回(6月8日)で学年ごとの学習内容、第11回(6月25日)でコマ単位の具体化、そして取りまとめ(案)へ。
⑤ 情報・技術WG 取りまとめ(案)7章構成。1.基本的な考え方/2.新教科・領域の創設/3.目標及び見方・考え方/4.資質・能力の構造化/5.内容の改善/6.学習・指導・評価/7.条件整備。本文のあとに補足イメージ①〜㊳が付き、学習活動イメージはここに入っています。www.mext.go.jp/content/20260804-mxt_kyoiku01-000051425-20.pdf
⑥ デジタル学習基盤特別委員会生成AIガイドライン、教育情報セキュリティポリシー、校務DXを扱う別ライン。学習指導要領とは別に動きます。ガイドラインVer2.1の検討はここ(第10回・令和8年6月30日)。

用語が変わった箇所

古い呼び方現在の呼び方変わった場
中核的な概念の深い理解知識及び技能に関する統合的な理解総則・評価特別部会(令和7年10月頃)
複雑な課題の解決思考力、判断力、表現力等の総合的な発揮同上。2つの総称が高次の資質・能力
総合実習(仮称)技術の統合情報・技術WG。生産技術領域の(4)として確定的な位置づけに
(内容項目名なし・4つの柱等)情報の表現とデジタル化/プログラミングと自動化/情報基盤とシステム化情報・技術WG。当初は旧D由来の項目立てが流動的でした
技術・情報科情報・技術科提言段階では「技術・情報科」という呼称も使われていました
情報活用能力の3観点8要素活用/適切な取扱い/特性の理解 の3構成要素「従来の3観点8要素の系譜でアップデートされたもの」と注記あり

報道と資料の日付を必ず確かめる

この分野は半年で用語が変わります。2025年末の報道と2026年夏の取りまとめでは内容項目名が違います。ネット上の解説記事を参照するときは、その記事がどの回のWG資料に基づいているかを確認してください。当ページも2026年夏時点の資料に基づいており、答申・告示で変わります。

先行実施スケジュール/探究の3類型/免許のゆくえ

2026年9月の説明会(中学校技術科全国キャラバン・森山主査代理/文科省調査官)で具体化した部分です。入門編の年表よりも一段細かく、当事者の語りに基づいて整理します。

実施スケジュール ── 全面実施を待たず先行実施

今回の改訂は情報技術の進展が速いことを踏まえ、全面実施を待たずに先行実施する経過措置が置かれます。中学校は「小学校で情報の領域を先行実施で受けた児童が中1に上がる」タイミングに合わせて始まります。当事者が「そんなに時間がない」と言うのはこのためです。

学校段階改訂・移行先行実施(経過措置)全面実施
小学校移行期間令和10年度(2028)〜令和12年度(2030)
中学校移行期間令和11年度(2029)〜令和13年度(2031)
高等学校移行期間─令和14年度(2032)入学生から順次

先行実施のロジック

令和10年度(2028)に小学校「情報の領域」を先行実施で受けた児童が、令和11年度(2029)に中学1年へ上がる。だから中学校の先行実施も令和11年度から。学びの接続を切らさないための逆算です。中学校の全面実施は令和13年度(2031)で、入門編で「2030年度」としていたのは誤りでした(本ページで訂正済み)。

探究の3類型 ── Make型(創作系)の登場

従来、総合的な学習(探究)の時間で示されてきた探究のプロセスは研究系(課題設定→情報収集→整理分析→まとめ表現)の1モデルが中心でした。次期の議論では、探究の「課題」に着目して3つの類型が示されました。

研究系(Discover)

問いの解明。日常生活で見つけた不思議の解明など。プロセス例:問いの設定→情報収集(先行研究)→仮説生成・検証→まとめ・表現。外化イメージは論文・レポート。

行動系(Action)

課題の解決。地域の課題解決など(PBL)。プロセス例:課題の設定→情報収集(実態調査)→整理分析・企画→行動・まとめ・表現。外化イメージはプレゼン・実演。

創作系(Make)── 技術科が担う類型

問いの解明や課題の解決に向けた作品づくり(Design Based Learning)。プロセス例:問いや課題の設定・定義 → 情報・素材収集、アイデア創出 → 設計・構想、試行的制作 → 批評、改善。外化イメージは作品。

情報・技術科の中核であるエンジニアリングデザインプロセス(EDP)は、このMake型探究にそのまま対応します。人間や社会のニーズの探究と、人工物・自然界の探究をマッチングさせて最適な設計をつくり、ものにして新たな価値を生む——という流れです。これにより技術科は「原体験で終わる教科」ではなく、STEAM教育を実現し、探究の一類型を担う教科として位置づけ直されます。

なぜ効くのか

「体験して終わり」への長年の批判に対し、Make型探究という受け皿を制度側が用意したことで、技術による問題解決=探究であると正面から言えるようになりました。「実践的・体験的な活動」に「探究」が加わった目標改訂(→「実践的・体験的な探究活動を通して」)とも整合します。

免許のゆくえ ── 「ゼロ化」の工程表

取りまとめ案本体には免許制度の具体的な改正方針はまだありませんが、9月の説明と概算要求で当面の実弾が具体化しました。指導体制改善プラン(令和7年9月策定・令和8年7月時点版)は、中学校技術分野担当の臨時免許状所有者・免許外教科担任を令和10年度にゼロにする数値目標を掲げています。

年度R7R8R9R10(目標)
臨免+免許外(人)2,4061,6048020

手立ては3つ。①研修(令和8年度から体系的・系統的な研修動画、指導主事など地域の中核人材の育成)②認定講習(オンライン化で全国どこでも受講可能に。R8は656名=定員600超、R9は800名受講可能)③制度(民間の質の高い外部人材が特別免許状を取得のうえ教壇に/中学校技術科の免許を追加取得するための加配定数を新設/免許制度そのものの在り方も、平成15年の高校情報科創設時の取組を参考に検討)。

令和9年度概算要求は13億円(前年度3億、令和7年度補正4億)。内訳は実践・調査研究7億/指導充実の総合支援5億/認定講習強化0.7億。「国は学校現場に対応を委ねるのではなく、必要な条件整備を責任を持って進める」と明記されています。

免許制度そのものはまだ「検討」

技術・家庭科の分離に伴い、新しい「情報・技術科」の免許をどう設計するかは、教員養成部会などでの検討事項です。9月時点で示されたのは、免許"取得"を後押しする施策(認定講習・加配・特別免許)と、免許制度の在り方を「調査研究」するという段階までです。断定的な情報が出たら差し替えてください。

詳解クイズ(全30問)

入門編4本には出てこない、詳解編だけの問題です。5問・10問・20問・全30問から選べます。間違えた問題だけをもう一周できます。

詳解編 問題バンク